平成の時代から解決しない様々な社会課題。
大人は日々子どもに宿題をしなさいと言いがちですが、渦中の子どもから大人に出された宿題、あなたはどう答えますか? 取り組みますか?
“第4問
下記の状態で、私の精神的・肉体的・経済的なダメージを最小限にする方法を求めよ。
1.両親ともに厳しく、叩かれることもある。
2.生理は半年なく、お腹が少し膨れてきた。
3.心の支えだった相手は、音信不通になった。
4.親にバレたら殺されかねないので、病院には行けない。(中3)”
【問題の解説】
虐待死で一番多いのは、0歳0カ月0日
児童虐待により死に至るケースの約半数を占めるのが「0歳の赤ちゃん」であり、そのうち、最も多いのが生まれてから24時間以内になくなる生後0日の赤ちゃんです。
子どもを殺めてしまった母親のみが責められがちですが、その背景には妊娠したことを誰にも相談できないまま、孤独で危険な出産をせざるをえなかった状況があります。
性教育も避妊の選択肢も少ない
日本では、中学校までの授業では性交・避妊・中絶について原則として取り上げられないなど、性教育が圧倒的に足りていません。
「子どもが欲しくないなら避妊すればいいのに」と言う人もいますが、諸外国と比べて、日本では女性による主体的な避妊の選択肢が少ないと言われています。また、緊急避妊薬も高額なうえに医師の処方が必要で、中高生など自由になるお金が少ない学生にとっては特に利用しづらい状況です。
妊娠を自己責任にしている社会
一方、思いがけない妊娠がわかったとしても、妊娠判定にかかる初回受診料も自己負担。経済的な負担も大きいにも関わらず、相手の男性や、家族からもサポートを受けられない女性が大勢います。そのような厳しい環境に置かれている女性は、ひとりで妊娠をどうしていくのかの判断をしていかなければいけません。
本来であれば、社会全体で支えていくはずの「妊娠」。それが「自己責任」とされているゆえに、妊婦が孤立をしてしまい、周囲へのSOSや相談が難しくなっている現状があるのです。
現在進行形で、この宿題を解こうとしている大人がいます!
この宿題に取り組んでいる大人の一人に、NPO法人ピッコラーレ代表理事の中島 かおりさんがいます。
中島さんは、孤立した妊婦さんを支えるために、どんなことをしているのでしょう? 活動するにあたってどんな壁にぶつかっているのでしょう?
自分にもできることがあるーそんな風に思えるヒントをお話しいただきます。
積み残されている宿題を、みんなの力で終わらせる。
子どもからの宿題を解かない大人たちは確かに多いけれど、だからといってあきらめたくない。この夏、あきらめない子どもと、あきらめない大人が集います。
大人が解かない宿題を出す子どもたちと、
解く方法を考える大人が集う!
コエール 2021
日時:2021年7月3日(土)13:30開演
場所:オンライン配信
人知れず苦しんでいる子どもたちに光をあて、その問題を解決するために、すでに行動を起こしている人、行動を起こし始めた人と一緒に考え、アクションを起こすイベントです。