文部科学省の取り組みも奏功せず、聞くに堪えないようないじめ、またそれを原因とする取り返しのつかない事態は増加しています。
大人は日々子どもに宿題をしなさいと言いがちですが、渦中の子どもから大人に出された宿題、あなたはどう答えますか? 取り組みますか?
“第5問
学校のいじめアンケートにもいじめがあると書いたのに、学校からもらったプリントには
「この学校にいじめはありません」と書かれていました。
先生に言っても聞いてもらえないなら、どうすべきでしょうか。(中2)”
井田裕之さんという大人は、こんなふうに解きました。
【解説】
2015 年に井田裕之さんは、いじめられている人、いじめを目撃した人の情報を、教育委員会に完全匿名で通報できるウェブサイト「うきわネットワーク」を開設、運営しはじめました。
きっかけは、いじめで自殺した中学生のニュース。自殺ニュースの後に続くのは、決まって教師や教育委員会をはじめとした大人たちの言い訳。
周りの大人たちが、本気でいじめの解決に尽力していれば、亡くなった被害者はもちろん、加害者も救うことができたのではないか。…じゃあ、自分はどうする?
居てもたってもいられなくなった井田さんはこの問題に本気で取り組みたいと考え、積み立てていた貯金を全部はたいて、いじめの存在を可視化できるウェブサイトを立ち上げました。
なお、かつてはいじめの存在を認知している学校は全体の半数ほどでしたが、最近の調査では8割を上回り、学校が「いじめを認知することの重要性」は少しずつ浸透しつつあります。とはいえ命にかかわる重大な事態は増加しているため、大人たちはさらに早期認知・徹底した解決に向けて考えていく必要があります。
【井田さんの取り組みのポイント】
・24時間スマホからいつでも投稿できる
・状況はサイトで公開されるほか、教育委員会等に連携されるため、ごまかせない
・フツーの会社員にもかかわらず挑戦した
積み残されている宿題を、みんなの力で終わらせる。
子どもからの宿題を解かない大人たちは確かに多いけれど、だからといってあきらめたくない。この夏、あきらめない子どもと、あきらめない大人が集います。
大人が解かない宿題を出す子どもたちと、
解く方法を考える大人が集う!
コエール 2021
日時:2021年7月3日(土)13:30開演
場所:オンライン配信
人知れず苦しんでいる子どもたちに光をあて、その問題を解決するために、すでに行動を起こしている人、行動を起こし始めた人と一緒に考え、アクションを起こすイベントです。