平成の時代から解決しないままになっている「子どもの貧困」の宿題。日本の子どもの貧困率は13.5%に上り、OECD平均12.8%を上回っています。
大人は日々子どもに宿題をしなさいと言いがちですが、渦中の子どもから大人に出された宿題、あなたはどう答えますか? 取り組みますか?
“第1問
ぼくのおかあさんは病気でごはんがつくれません、
きゅうしょくいがいでは
バナナ1本しか食べない日もあります。
おなかぺこぺこです。どうしたらいいですか。(小3)”
適切な相談先を知らない、目の前の子どもの空腹をまずは何とかすることも大切ですし、空腹が常態化しつつある子どもの存在を迅速にキャッチすることや、食べられない状況を根本解決するしくみ作りも大切です。より多くの大人がいくつもの答えを出していく必要がある宿題です。
まだ日本では「子どもの貧困」がクローズアップされておらず、「子ども食堂」という言葉もなかったころのこと。近藤博子さんという大人は、こんな答えを出しました。
【解説】
地域の小学校の副校長先生から「給食以外はバナナ1本で過ごしている子どもがいる」と聞いた近藤さんは、自分にできることはないかと考えました。2012年、自身が経営する八百屋の一角を開放して、子どもはワンコインでご飯が食べられる「こども食堂」を作りました。
近藤さんは「困っている子どもに自分ができることをしているだけ。ご近所同士が気遣いあったり、助け合ったりするのはお互いさまだから」と笑います。その後、近藤さんが作った「こども食堂」という言葉が全国に広がり、今では4960箇所に。地域の子どもたちが、地域の大人たちに支えられる土壌が広がっています。
また、2014年1月には、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が施行され、国や行政でも取り組みが進められるようになりました。
【近藤さんの取り組みのポイント】
・ワンコイン(100円でも1円でも!)でご飯が食べられる
・貧困家庭の子どもだけじゃなく、誰でも来られる居場所をつくった
・ボランティアのネットワークが、地域のいろんなお困りごと解決につながっている
積み残されている宿題を、みんなの力で終わらせる。
子どもからの宿題を解かない大人たちは確かに多いけれど、だからといってあきらめたくない。この夏、あきらめない子どもと、あきらめない大人が集います。
大人が解かない宿題を出す子どもたちと、
解く方法を考える大人が集う!
コエール 2021
日時:2021年7月3日(土)13:30開演
場所:オンライン配信
人知れず苦しんでいる子どもたちに光をあて、その問題を解決するために、すでに行動を起こしている人、行動を起こし始めた人と一緒に考え、アクションを起こすイベントです。
近藤博子さんの解答例