「コエール2022」まで、1カ月余り。第6回ワークショップが5月22日(日)、オンラインで開かれました。今回は「プレスピーチ」と、プロのアナウンサーによる「スピーチ指導」です。
「プレスピーチ」では、本番当日にスピーチする若者(イルミネーター)1人と、個別にサポートしながら発表内容を一緒に考えていく社会人(エンパワ)2人の計3人が1つのチームを組み、約1カ月かけて練ってきた成果を披露しました。
さらに「スピーチ指導」は、フジテレビの現役アナウンサーが、発表の仕方や内容の伝え方などについて、プロの視点でアドバイスしました。フジテレビのCSR推進プロジェクトによる社会貢献事業の一環として、アナウンサーのみなさんのご協力で、毎年行っています。
アドバイザーとして、テレビでおなじみの梅津弥英子さん、小澤陽子さん、奥寺健さん、上中勇樹さんが、プレスピーチに耳を傾けました。
アドバイザー
▶梅津 弥英子(うめづ やえこ) アナウンサー
東京都出身。「日曜報道 THE PRIME」「Live News イット!(月・火)」など担当▶小澤 陽子(おざわ ようこ) アナウンサー
神奈川県出身。「Live News イット!」「全力!脱力タイムズ」など担当▶奥寺 健(おくでら たけし) アナウンサー
東京都出身。「FNN Live News イット!」「スピードスケート中継」など担当▶上中 勇樹(うえなか ゆうき) アナウンサー
大阪府出身。「BSフジ LIVEプライムニュース(ニュース)」「スポーツ中継」など担当
■「声を前に届けよう」 発声法を学ぶ
プレスピーチの前に、梅津アナの指導で、新人アナウンサーも必ず習う呼吸法や発声法を学びました。
いい声を出す秘訣として、「姿勢が大切。心の状態によって、体ってカチコチになる。上半身の力が抜けるほど、いい声になります」と指摘。「4-4-8」のリズムで、「鼻からゆっくり、たっぷり息を吸う」(4拍)、「息を止める」(4拍)、「口からフウーと息をはく」(8拍)の呼吸法に、全員で挑戦しました。
その仕組みについて、「たっぷり息をはくと、今度は息が入ってくる。深い呼吸になるので、息と共に声も出るようになります」と説明。「緊張しているときは、この呼吸法を3回繰り返してください」と呼びかけました。
次に、母音を発声する時の口の形の大切さについて解説しました。「母音がきちんと発音できるようになると、日本語って、すべての音がクリアになります。それを目指しましょう」と説明。「届ける先に、小さなお子さんや、少し耳の遠いおじいちゃん、おばあちゃんがいるイメージで、ゆっくり、はっきり、少し大きな声で話してみてください」とアドバイスしました。
■梅津アナ「当事者にしか言えない言葉で」
小澤アナ「心で感じたことも盛り込もう」
午前の部は、梅津アナと小澤アナが担当し、イルミネーター4人に指導しました。
梅津アナは、児童養護施設の思い出を回想したイルミネーターに「その瞬間のことを思い出しながら話しているので、楽しかった時の表情や声になっていた。イメージすると、より伝わります」。別のイルミネーターには「当事者のあなたにしか、言えない言葉を大切にしてください」とアドバイスしました。
小澤アナは、虐待の体験を語ったイルミネーターに「想像を絶する体験を、明るいトーンでユーモアを交えているところに、本人の強さを感じました。事実だけでなく、どう感じたか、心で感じたことや、その変化も盛り込まれているのがよかった」。別のイルミネーターには「カギカッコの後、少し間を置くと、もっと伝わりやすくなります」と助言しました。
■奥寺アナ「気持ち表す言葉、生き生きと」
上中アナ「問題提起に、考えさせられる」
午後の部は、奥寺アナ、上中アナがイルミネーター3人を担当しました。
奥寺アナは、「幼いころからの流れが、短い中に、すごくよくまとまっています。声もよく出ていて、(聞く人に)届くなあと思いました」「気持ちを表現する時に、すごく素直に表しています。感情を表現する一つ一つの言葉が生き生きとしていますね」と評価しました。
上中アナは「声がクリアで、芯のある強さを感じました」「(スピーチの)最後の問いかけが、自分だったらどう考えるか、問題提起する終わり方で、こちらも考えさせられる内容。カギカッコの部分を、もう少し強弱つけると、もっとよくなります」とアドバイスしました。
■「大事なことは、ゆっくり」「ミスしても落ち着いて」「聞く人の気持ち考えて」
全体の通し、午後の部を担当した3人が総評を述べました。
奥寺アナは、「大事なことを言うときに、そこだけ、思い切りゆっくり言っていい。すごく聞きやすくなります。どれがキーワードか、もう一度振り返ってみて」とアドバイス。
上中アナは「とても心が揺さぶられ、言葉一つ一つの思い、重みをとても感じました。本番が楽しみ。内容が素晴らしいので、途中でミスしても、落ち着いて」と助言しました。
また、このプロジェクトを長年サポートしてくれているフジテレビのCSR担当木幡美子さんは「当日は、みなさんが主役ですから、自信を持って、堂々と。素敵なステージを用意しています」と激励。「相手の気持ちを考えるというのは、何事においても大事。聞いてくれている人に対して、感謝の気持ちと、どういうふうにしたら聞きやすいか、どうやったら伝わりやすいか、相手のことを考えながら、本番に臨んでください」とエールを送りました。
アナウンサー4人からは、「よく練られています」「ドラマと思うくらい、よくできた構成」と、スピーチの完成度の高さに驚く声が相次ぎました。さらに、想像を超える体験談に、言葉がすぐに出て来なかったり、「心揺さぶられた」と率直に語ったり、一人の人間として向き合う姿が印象的でした。
■次回は「プレスピーチ」
次回の第7回ワークショップは、6月19日(日)にオンラインで開催します。
「スピーチ指導」でアドバイスいただいた内容をもとに、各チームでさらに磨きをかけ、本番をイメージしながら、いよいよ「リハーサル」に臨みます。